更に新たな畑の開拓。今回は、ラズベリーなどのベリー用と野菜用の畑である。畑の横に丘を登る石段も築く予定である。
すでに幾つかのベリーは植え付けられていた。しかし、その背後にはタイル屋根の山。横には壁の保温材の山。30年ほど前に暮らしていた人が新たな家を建てるつもりで購入し、保管されていた場所だったらしい。しかし、何らかの理由で家を建てず放置されていたのである。
そこで、まずは大方の雑草を抜いた後、タイル屋根を移動させる作業に取り掛かった。何枚かが重ねられていたり、土や根と半一体化していたり…。1mほどの山が3山ほどできる程のタイルが1日と半日をかけて掘り出された。
それから保温材を処理するのにも半日を要した。植物の繊維からできた保温材。肌に触れるとチクチク痛い為、やっかい物である。その量、30Lサイズのゴミ袋が15袋程。ごみ処理場に引き取ってもらうのに60ユーロの支払いが生じた。
大方の廃棄物が処理され、茶色い土が見られるようになった土地。丘の下部に位置するため、土地の半分が斜めになっている。そこで、位置が高い部分から低い部分へ土を移動し、平らにならさなければならなかった。
そして、ようやく土を起こして、種や苗を植えた。
現在、順調に育つ植物の横に、石段が少しずつ完成に向けて建設されている。
「土台」や「始まり」の大切さを身にしみて感じた畑作り。きっと畑だけでなく、他の事柄にも言えること。始めは苦労を要するかもしれないが、一度しっかりとした基礎を築くことによって、後々の成長に差が出てくるということ。
果たして今の私には過去に苦労して築いた基礎があるのだろうか…。