日本から欧州への飛行機で、とあるオランダ人男性と知り合った。ちょうど1週間ほど日本を訪問していたとのこと。
現在はオランダでShellに勤める男性だが、ゆくゆくは日本のJAXAで宇宙太陽発電の研究に携わりたとのこと。
宇宙太陽発電(Solar Power Satellite:SPS)とは、宇宙に飛ばす発電衛星から地球上にエネルギーを得る方法である。元来1968年に米国の博士によって提唱されたが、コストやリスクが懸念され研究は中止されていたが、1990年代以降、環境問題などの観点から、改めて研究されるようになった。
SPSは宇宙での太陽光発電となる為、天候に左右されることなく24時間の発電が可能である。
しかし、「膨大な電力が目に見えない空間を通して送られる」ということに、何か危険は伴わないのだろうか…。そこには、以前の原子力発電のように、「事故が無ければ安全。環境に優しい。」といった言葉や発想のカラクリがあるのではないだろうか…。
たしかに地上での太陽光発電や風力発電の場合、自然の影響に左右されることが多少たりともあるかもしれない。ただ、私たち人々も自然の一部として生きているという観点から考えると、それは当たり前のことなのではないだろうか。
極端な例かもしれないが「雨」という自然現象について考えてみる。雨に濡れると、一時の不快感さ、寒さを感じることがある。ただ、拭いたり、着替えたりといった一手間によって、それらは解決される。もしその際に防水効果のある何らかの化学薬品を衣類に付着させて常に快適さを保とうとするとどうだろうか。不快感や寒さ、一手間は省ける。しかし、化学薬品によって少なからず人体に害が及ぼされたり、自然環境が破壊されることによって、後々、人々の生存が危機にさらされる可能性があるのではないだろうか。
つまり、自然の流れに逆らったり、影響を受けないように極端に避けようとすると、それこそ持続可能性の無い未来が待ち受けているのではないだろうか…。
何をどこまで、どう優先させるべきなのか…、正直なトコわからない。
ただ、もう少数の経済的利益や目先の利益のみを優先させたり、リスクに目をつぶったりして前に進むのはこりごりである…。