その073:American Dream(韓国人の女性)

ロスから日本への飛行機。

偶然となりに座った女性。2、3時間、興味深い自身のライフストーリーを話してくれた。

生まれは韓国。両親の家族は北朝鮮から脱北した。義務教育後、働くもすぐに結婚し、長男を出産。女性は夫や家族に尽くすことが当たり前だった韓国での生活を苦に感じ、離婚して、当時、自由の国の象徴であった米国へ3歳の長男と共に渡米。ひとまず韓国料理屋で働きながら長男を育てることに。

とある日、長男が一人で道を歩いていると「ぼうや、どこへ行くんだい?」と声を掛けてきた米国人男性。家へ向かっていること、さらには韓国から母親と渡米し暮らしていることを話すと興味を示してきた男性。結局、その後、男性は母親に英語を教えることになる。そして、その米国人男性と母親である韓国人女性は、出会ってから1年余りで結婚、長女を授かった。しかし、何かと女性を束縛しようとする夫に疲れ、離婚することに。その後、自ら韓国料理屋を経営し始めた。

その間、韓国から両親を含め、家族も次々に渡米し移住し始めた。ただ、兄に限っては韓国に残っている。その実兄、韓国では有名なテレビ番組や映画のらしい。冬のソナタにもかかわり、ヨン様とも顔見知りとのこと…。

女性は、自らの店を数年前に売り払い、今は働いていないとのこと。その代わり、たまに世界各地を旅しているらしい。ヨーロッパや南アメリカ…。長男はエンジニアとして活躍しており、医者の女性と近々結婚予定。長女は来る9月から大学へ入学予定。その長女、まだ免許を所有していないのにBMWの車を所有している。また、広い一軒家に一人暮らしをしている。すべて企業の重要な役職を担う父親からの手厚いケアによるものである。

女性は、ようやく子供について心配事もなくなり、一安心しているとのこと。以前の米国人男性との再婚を考えているらしい。

印象深い女性の一言「Now I have a American dream.」確かに、今の女性の生活はいつかのアメリカンドリームとして夢見た生活だったのだろう…。