その157:小学生向け見学会

とある平日、近郊の都市の小学校から50人ほどの生徒が農場を見学に来た。

3つのグループに分けて、第1グループは小屋周辺を見学、第2グループは牧場を散策、そして第3グループは話者によるストーリーを聴く時間とすることにした。

そのうち、私は第1グループを担当することに。

「酪農初心者」と自認している為、50人という大人数を案内できるか不安を感じていた。また、小学生ということで、大人以上に鋭かったり、予測のできない質問を受けることも恐れていた。

しかし、農場に滞在して、かれこれ2ヶ月。何もせずに過ごしていたわけではなかったようだ。得の問題なく見学は進み、一通り質問には答えることができた。そして、最後に付き添いの先生から上手く見学を引率できたことを褒められ、正直、嬉しかった。

ちなみに、多くの生徒が農場に足を運ぶことは初めてだったらしい。そんな生徒の口からは、たまにポロっと興味深い一言がこぼれてきた。

「牛は何処で買うのですか?E-bay(ネットショップ)ですか?」

「今、搾乳している牛はオスですか?メスですか?」

生きるために必要不可欠な食べ物。毎日、直接、口から体内に取り入れる食べ物。

近年、日本でよく耳にする「食育」の必要性がまさに感じられた。

…と言っても、私自身、農場を訪問する前まで酪農について多くの真実を知らなかったり、関心すらなかったりしていたわけですが…。