水のレクチャーでは、主に水の循環について学び、その循環に人がどう影響しているかを学ぶ。
水の循環については、「水が大地から蒸発して、雲を形成し、雨が降り、大地に戻ってくる」というプロセスを歌と共に学ぶ。また、自分が水になったと仮定して、海から空、砂漠、森…といった各地を旅するスゴロク形式のゲームも行われる。
人が与える水の循環への影響については、「森」、「畑」、「都市」といった異なる場所のミニチュア版を用いて解説される。
まず、子どもたちは、周囲にある枝や葉っぱ、石を使って各場所を作る。ただし、あらかじめ「畑」には耕された土に見立てた段ボール、「都市」にはコンクリートに見立てたビニール袋を下に敷いておく。(段ボールやビニール袋には事前に水に反応する薬品が染み込まれている。)
子どもたちは、予想以上にミニチュア版を作るのを楽しむ。枝と苔を「木」に見立てたり、木の皮を横に置いて「高速道路」に見立てたり、その想像力の豊かさに驚かされる。
ミニチュアの世界に雨に見立てた水を降りかけたらどうなるだろうか…。
「森」には、特に変化が無い。「畑」には、なんと黄色い水が流れ出てくる。同じく「都市」からも黄色い水が流れ出てくる。
この黄色は何を意味するのか?
農薬や大気汚染といった人が発する「汚染物質」である。そして、それらはコンクリート上では、その地に染み込むのではなく、低地や川、海へ流れていくのである。
そこに流れていく低地にスポンジを置くと、スポンジが水や汚染物質を吸収する。
このスポンジは何を意味するのか?
汚染物質を浄水する効果を持つ「湿地」である。
ほんの20分程のレクチャーではあるが、水を汚染する人為的行為や汚染を除去する湿地の役割について、実に分かりやすく、そして楽しんで学ぶことができる。