私が米国を好む一つの理由に「大自然に身近に味わえること」が挙げられる。
都心から車で10分程の所にハイキングができる公園があったり、カヌーができる川原があったり…。国の広さもあると思うが、それと同時に「自然を味わおう」という心意気を持つ国民性が感じられる。日本も「国土の3分の2は山」と言われているが、果たして、どれだけの国民がその3分の2の山にある自然を味わおうとしているだろうか?
はてさて、ポートランドでの週末に話を戻す。
その日、私は友人とカヌーをした。150ドル程で手に入れたという中古のカヌーを車の上に乗せて、ポートランドの街から車で20分程の川原からカヌーをすることにした。
なんて簡易なんだろう!(一体、東京で「カヌーをする」と言ったら、中古のカヌーでもいくら位するのだろうか。また、近場の川原までどの位かかるのだろうか。)
こっちの天気にとしては、珍しく一日中晴天であった。小さな川を3時間ほどで下り、ポートランド州とワシントン州の州境となっているコロンビア川と言う大きな川に出た。途中、河原や滝で止まったりしてユックリと下った。
また、コロンビア川では、野生のアザラシ(!)に出会った。始め20メートル程先に顔を出したが、どんどん近づいてきて、最終的には5メートル程の近距離まで迫ってきた。正直「襲われる!」と思い、恐怖心を感じた。しかし、その後、アザラシは遠くへ立ち去っていった。
都市に流れている川だというのに、個人のカヌーで容易に心休まる自然に触れられることの贅沢さを改めて感じた一日であった。