その108:養羊用の芝生

飼われている羊は3頭。余計な草を食べてもらったり、後に食肉として食したりする為である。

とある場所の草がある程度食べ尽されると新たな場所へ移動させなければならない。そして、しばらく時間を置き新たな草が育った頃に元の場所へ移動させる。つまり、羊の飼育には、大量の草が育つ広大な土地、もしくは交代して草が育つように幾つかの土地が必要なのである。

ここでは3匹の羊は数週間毎に20m四方程の異なる区域へ移動させられる。

とある日、新たな移動先となる芝生を整備することになった。過去2年間、手付かずとなっていた土地。雑草が生い茂り、石や木の枝が散乱していた。将来的に同じ場所を使い続けることを考えると、芝刈り機が使えるよう、背の高い植物を切り、地面に落ちている石や枝を除ける必要があった。

大きな木の株を掘り起こしたり、薪用の木を移動させたり、石を取り除いたり…。またまた丸一日の作業となった。しかし、その代わり映え様は見事であり、一日の終わりに皆、達成感を感じていた。